易占いとは-周易・五行易(断易)・梅花心易について
当たるも八卦、当たらぬも八卦という言葉があります。
占いは当たることも当たらないこともあるのだから、
あまり結果を気にしすぎてはいけないという意味の言葉です。
八卦(はっけ)
この『八卦』、これは易の基本中の基本となる要素です。
易占をする人のことを易者と呼びますが、
『八卦見』という呼び方もありました。
易について
易と名のつく占術は3種類あります。
- 周易
- 五行易(断易)
- 梅花心易
単に『易』というときは周易を指すのが普通です。
周易の他に五行易(断易)、梅花心易があります。
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易占道具の紹介
易は特別な道具なしでも占うことが出来ますが、
一般には易占道具と呼ばれる道具を使います。
筮竹
50本一組の25〜50センチくらいの棒です。
元々はメドハギという木の枝を使っていましたが
現在では竹製のものがほとんどです。
中には黒檀や紫檀製の高級筮竹もあります。
高級筮竹は持った感触も違いますし、
裁いた時の音がいいのですね。
ですが、道具が高級になったからといって的中率に差が出るわけではありません。
筮竹がなければコインで代用することもできます。
立卦箱
筮竹を使わずに立卦をするための道具で、
3つまたは6つに仕切られた箱の中にサイコロが入っています。
がしゃがしゃっと振って使います。
易占サイコロ
それぞれの面に八卦が書かれている8面体サイコロで
1回サイコロを振るだけで立卦できます。
易占サイコロは2つセットで使うことが多く、
それに6面体のサイコロをあわせて使います。
算木
筮竹を裁いて出た陰陽を記録するための四角い木の棒です。
真ん中にしるしのように色がつけてある面が陰、何も書かれていない面が陽です。
なければペンとメモ帳でも差し支えありません。
けろく器
裁いた筮竹を置いておく台。なくても困りません。
筮筒
筮竹を入れておく筒です。
筮筒として売られているものは結構な値段がしますが
他のもので代用可能ですし、これもなくても困りません。
上記の画像は、先生が実際に占う際に使用している筮竹と算木だそうです。
直接見たことがある人は少ないかもしれませんが、易者さんと言えば筮竹をジャラジャラやっているイメージを持っている人も少なくないでしょう。
周易とは
周易を一言で表現すると次のような占術と言えます。
陰と陽を合計6つ組み合わせて
それを易経という思想書と引き合わせながらあらゆることを読み解く占術
こう書いてしまうとひどく単純な占術のように聞こえますが
易経をきちんと理解した上で非常に複雑な考察が必要です。
単純に易経に書かれていることを
おうむ返しのように占い結果としてもあまり当たりません。
そもそも占ったテーマに沿ったことが必ずしも易経に書かれているとは限らず
何のことだか意味が分からない!ということになりがちです。
ですが、ただしく読めるようになると
なんでそこまで分かるの?というくらい的中します。
様々な武術が世界にあるかと思いますが、その中の一つに八卦掌というものがあります。名前から分かる通り、八卦の考えをベースにした中国武術だそうです。八卦掌についてはテレビゲームや漫画などで聞いたことがあるかもしれませんね。(ゲーム:鉄拳(リン・シャオユウ)、漫画:ナルト(日向ネジ))
易の卦
易の卦は陰と陽を組み合わせて作られます。
陰と陽を3つ組み合わせて作られる形を小成卦といい、
この組み合わせは全部で8通りあります。
これが『当たるも八卦』の『八卦』です。
全部陰なら坤、全部陽なら乾、
上一つが陽で残り2つが陰なら艮というように
その形によってそれぞれ名前があり、意味があります。
小成卦は次の8つがあります。
- 乾
- 兌
- 艮
- 離
- 坎
- 坤
- 震
- 巽
この小成卦(八卦)を上下に二つ重ねたものを大成卦といい、
組み合わせは64通りあります。
理系人間的にこの図を理解してみようとすると…
長い横棒(−)が陽、短い横棒二本(- -)が陰。
その組み合わせは二進数で言うところの2の3乗なので全部で8通り。
更に上下で二つ用意することから8×8の64通りの組み合わせが出来上がる。
大成卦の例
これは地天泰という大成卦です。
この横棒を爻(こう)といい、
上3つは全部陰で小成卦は『坤』
下3つは全部陽で小成卦は『乾』です。
爻にはひとつひとつ大成卦ごとに異なる意味づけがしてあり、
考察するための参考にしていきます。
この形の意味が書かれた書物が易経です。
立卦
卦を得るためにする作業を立卦と言います。
立卦にはいくつかの方法がありますが、
- もっとも煩雑な手順を踏んで一つの大成卦を出すのが本筮
- 同じ手順を6回繰り返して出すのが中筮
- 3回の手順で出すものを略筮
といいます。
立卦はとても集中力を必要とする作業です。
ですから恐ろしく時間のかかる本筮はめったに使われることはなく
かつては一国の大事を占うときなどに使われたようです。
五行易(断易)とは
易と名はつきますが周易と違って易経を用いず、立卦して出てきた大成卦に十二支と六親をあてて判断する占術です。
周易が分かるから五行易は楽勝♪と思ってかかると…何がなにやらさっぱり理解できない!という易であって易じゃない代物です。
五行易(断易)にはいくつか流派があり
卦の解釈が異なります。
五行易(断易)特徴
この占法は立卦した卦のうち、どの爻を中心にして
判断するかの選定が難しいため、占う事柄の背景事情を
しっかり把握しないと見当違いな結果を読み出してしまう難しさがあります。
ですが、失せもの占や勝負占、周易では分かりづらい『いつそうなるか』などは
すぱっと答えが出せるため、周易と併用して占うこともあります。
周易に比べて五行易を使う占者は比較的少ないですが
問われたことに端的答えを出せるのが特徴です。
梅花心易とは
周易にせよ五行易にせよ、立卦には何かしらの道具が必要ですが、この梅花心易は道具を用いず、占おうと思ったそのときの時刻や目に付いた事柄から卦を立てて占います。
周易とは少し違う見方をすることもあり、易の世界を深く理解していないと使いこなせない難しい占法です。
名前の由来
梅花心易という風流な名前の由来。
その昔、木の枝にとまっていた2羽の小鳥が絡み合いながら地面に落ちたのを見たある易者が、
その様子から卦を立て翌日その家の娘が足を怪我すると読んで的中させたことからきています。
なんでそんなことが的中させられるのか不思議な感じもしますが、
これが易の世界の真髄なのでしょうね。
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